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- ちはやふる2巻
- ちはやふる1巻
- 百人一首
- 1. 秋の田の仮庵の庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ / 天智天皇
- 2. 春すぎて夏来にけらし白妙の 衣ほすてふ天の香具山 / 持統天皇
- 3. あしびきの山鳥の尾のしだり尾の 長々し夜をひとりかも寝む / 柿本人麻呂
- 4. 田子の浦にうち出でて見れば白妙の 富士の高嶺に雪は振りつつ/山辺赤人
- 5. 奥山にもみじ踏みわけ鳴く鹿の 声きく時ぞ秋は悲しき/猿丸大夫
- 6. かささぎの渡せる橋に置く霜の 白きを見れば夜ぞふけにける/中納言家持
- 7. 天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山にいでし月かも/安倍仲麿
- 8. わが庵は都のたつみしかぞ住む 世をうぢ山と人はいふなり/喜撰法師
- 9. 花の色はうつりにけりないたづらに 我が身世にふる眺めせし間に/小野小町
- 10. これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関/蝉丸
- 11. わたの原八十島かけてこぎ出でぬと 人には告げよあまの釣舟/参議篁
- 12. 天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ をとめの姿しばしとどめむ/僧正遍昭
- 13. 筑波嶺の峰より落つるみなの川 恋ぞつもりて淵となりぬる/陽成院
- 14. みちのくのしのぶもぢずり誰ゆえに 乱れそめにし我ならなくに/河原左大臣
- 15. 君がため春の野に出でて若菜つむ わが衣手に雪は降りつつ/光孝天皇
- 16. 立ち別れいなばの山の峰におふる まつとし聞かば今帰り来む/中納言行平
- 17.ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれないに水くくるとは/在原業平朝臣
- 18.住の江の岸による波よるさへや 夢の通ひ路人めよくらむ/藤原敏行朝臣
- 19. 難波潟短き葦のふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや/伊勢
- 20. わびぬればいまはた同じ難波なる みをつくしても逢はむとぞ思ふ/元良親王
- 21. いま来むといひしばかりに長月の ありあけの月を待ち出でつるかな/素性法師
- 22. 吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ/文屋康秀
- 23. 月見ればちぢに物こそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど/大江千里
- 24. このたびはぬさもとりあへず手向山 もみぢの錦神のまにまに/菅家
- 25. 名にしおはば逢坂山のさねかづら 人に知られでくるよしもがな/三条右大臣
- 26. 小倉山峰のもみじ葉心あらば いまひとたびのみゆき待たなむ/貞信公
- 27. みかの原わきて流るるいづみ川 いつ見きとてか恋しかるらむ/中納言兼輔
- 28. 山里は冬ぞさびしさまさりける 人目も草もかれぬと思へば/源宗于朝臣
- 29. 心あてに折らばや折らむ初霜の おきまどはせる白菊の花/凡河内躬恒
- 30. 有明けのつれなく見えし別れより 暁ばかり憂きものはなし/壬生忠岑
- 31. 朝ぼらけ有明けの月と見るまでに 吉野の里に降れる白雪/坂上是則
- 32. 山川に風のかけたるしがらみは 流れもあへぬもみぢなりけり/春道列樹
- 33. ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ/紀友則
- 34. 誰をかもしる人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに/藤原興風
- 35. 人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香ににほひける/紀貫之
- 36. 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを 雲のいづこに月宿るらむ/清原深養父
- 37. 白露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける/文屋朝康
- 38. 忘らるる身をば思はず誓ひてし 人の命の惜しくもあるかな/右近
- 39. 浅茅生の小野の篠原忍ぶれど あまりてなどか人の恋しき/参議等
- 40. 忍ぶれど色に出でにけりわが恋は 物や思ふと人の問ふまで/平兼盛
- 41. 恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか/壬生忠見
- 42. 契りきなかたみに袖をしぼりつつ 末の松山波超さじとは/清原元輔
- 43. 逢い見てののちの心にくらぶれば 昔は物を思はざりけり / 権中納言敦忠
- 44. 逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし/中納言朝忠
- 45. あはれともいふべき人は思ほえで 身のいたづらになりぬべきかな/謙徳公
- 46. 由良の門をわたる舟人かぢをたえ ゆくへも知らぬ恋の道かな/曽禰好忠
- 47. 八重むぐら茂れる宿のさびしきに 人こそ見えね秋は来にけり/恵慶法師
- 48. 風をいたみ岩うつ波のおのれのみ くだけて物を思ふころかな/源重之
- 49. みかきもり衛士のたく火の夜は燃え 昼は消えつつ物をこそ思へ/大中臣能宣朝臣
- 50. 君がためをしからざりし命さえ ながくもがなと思ひけるかな/藤原義孝
- 51. かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを/藤原実方朝臣
- 52. 明けぬれば暮るるものとは知りながら なお恨めしき朝ぼらけかな/藤原道信朝臣
- 53. 嘆きつつ独りぬる夜の明くる間は いかに久しきものとかは知る/右大将道綱母
- 54. 忘れじの行く末まではかたければ 今日を限りの命ともがな/儀同三司母
- 55. 滝の音は耐えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ/大納言公任
- 56. あらざらむこの世のほかの思ひ出に 今一たびの逢ふこともがな/和泉式部
- 57. めぐりあひて見しやそれともわかぬまに 雲がくれにし夜半の月かな/紫式部
- 58. 有馬山いなの笹原風吹けば いでそよ人をわすれやはする/大弐三位
- 59. やすらはで寝なましものを小夜ふけて かたぶくまでの月を見しかな/赤染衛門
- 60. 大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立/小式部内侍
- 61. いにしへの奈良の都の八重桜 今日九重ににほひぬるかな/伊勢大輔
- 62. 夜をこめて鳥のそら音ははかるとも よに逢坂の関は許さじ/清少納言
- 63. 今はただ思ひたえなむとばかりを 人づてならでいふよしもがな/左京大夫道雅
- 64. 朝ぼらけ宇治の川霧絶えだえに あらはれ渡る瀬々の網代木 / 権中納言定頼
- 65. 恨みわびほさぬ袖だにあるものを 恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ/相模
- 66. もろともにあはれと思へ山ざくら 花よりほかに知る人もなし/前大僧正行尊
- 67. 春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなく立たむ名こそ惜しけれ/周防内侍
- 68. 心にもあらで憂世にながらへば 恋しかるべき夜半の月かな/三条院
- 69. 嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の錦なりけり/能因法師
- 70. さびしさに宿を立ち出でてながむれば いづこも同じ秋の夕暮れ/良暹法師
- 71. 夕されば門田の稲葉おとづれて 葦のまろやに秋風ぞふく/大納言経信
- 72. 音にきく高師の浜のあだ波は かけじや袖のぬれもこそすれ/祐子内親王家紀伊
- 73. 高砂の尾の上の桜咲きにけり 外山の霞立たずもあらなむ/前中納言匡房
- 74. 憂かりける人を初瀬の山おろしよ はげしかれとは祈らぬものを/源俊頼朝臣
- 75. ちぎりおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋もいぬめり/藤原基俊
- 76.わたの原こぎ出でて見ればひさかたの 雲居にまがふ沖つ白波/法性寺入道前関白太政大臣
- 77. 瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末にあわむとぞ思ふ/崇徳院
- 78. 淡路島かよふ千鳥の鳴く声に 幾夜ねざめぬ須磨の関守/源兼昌
- 79.秋風にたなびく雲の絶え間より もれ出ずる月の影のさやけさ/左京大夫顕輔
- 80. ながからむ心も知らず黒髪の みだれて今朝はものをこそ思へ/待賢門院堀河
- 81. ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただありあけの月ぞ残れる/後徳大寺左大臣
- 82. 思ひわびさても命はあるものを 憂きにたへぬは涙なりけり/道因法師
- 83. 世の中よ道こそなけれ思い入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる/皇太后宮太夫俊成
- 84. ながらえばまたこのごろやしのばれん 憂しと見し世ぞいまはこいしき/藤原清輔朝臣
- 85. 夜もすがらもの思ふころは明けやらで ねやのひまさへつれなかりけり/俊恵法師
- 86.嘆けとて月やは物を思はする かこち顔なるわが涙かな/西行法師
- 87. 村雨の露もまだひぬまきの葉に 霧たちのぼる秋の夕暮れ/寂蓮法師
- 88. 難波江の葦のかりねのひとよゆゑ みをつくしてや恋ひわたるべき/皇嘉門院別当
- 89. 玉の緒よ絶えねば絶えねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする/式子内親王
- 90. 見せばやな雄島のあまの袖だにも ぬれにぞぬれし色は変はらず/殷富門院大輔
- 91.きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む/後京極摂政前太政大臣
- 92. わが袖は潮干にみえぬ沖の石の 人こそ知らねかわく間もなし/二条院讃岐
- 93.世の中は常にもがもな渚こぐ あまの小舟の綱手かなしも/鎌倉右大臣
- 94. み吉野の山の秋風さ夜ふけて ふるさと寒く衣打つなり/参議雅経
- 95. おほけなくうき世の民におほふかな わがたつ杣にすみぞめのそで/前大僧正慈円
- 96.花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり/入道前太政大臣
- 97. 来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くやもしほの身もこがれつつ/権中納言定家
- 98. 風そよぐならの小川の夕暮れは みそぎぞ夏のしるしなりける/従二位家隆
- 99. 人もをし人も恨めしあぢきなく 世を思ふゆえに物思ふ身は/後鳥羽院
- 100. 百敷やふるき軒端のしのぶにも なほあまりある昔なりけり/順徳院
- 部立
- 春
- 夏
- 秋
- 1. 秋の田の仮庵の庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ / 天智天皇
- 5. 奥山にもみじ踏みわけ鳴く鹿の 声きく時ぞ秋は悲しき/猿丸大夫
- 17.ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれないに水くくるとは/在原業平朝臣
- 22. 吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ/文屋康秀
- 23. 月見ればちぢに物こそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど/大江千里
- 26. 小倉山峰のもみじ葉心あらば いまひとたびのみゆき待たなむ/貞信公
- 29. 心あてに折らばや折らむ初霜の おきまどはせる白菊の花/凡河内躬恒
- 32. 山川に風のかけたるしがらみは 流れもあへぬもみぢなりけり/春道列樹
- 37. 白露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける/文屋朝康
- 47. 八重むぐら茂れる宿のさびしきに 人こそ見えね秋は来にけり/恵慶法師
- 69. 嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の錦なりけり/能因法師
- 70. さびしさに宿を立ち出でてながむれば いづこも同じ秋の夕暮れ/良暹法師
- 71. 夕されば門田の稲葉おとづれて 葦のまろやに秋風ぞふく/大納言経信
- 79.秋風にたなびく雲の絶え間より もれ出ずる月の影のさやけさ/左京大夫顕輔
- 87. 村雨の露もまだひぬまきの葉に 霧たちのぼる秋の夕暮れ/寂蓮法師
- 91.きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む/後京極摂政前太政大臣
- 94. み吉野の山の秋風さ夜ふけて ふるさと寒く衣打つなり/参議雅経
- 冬
- 恋
- 3. あしびきの山鳥の尾のしだり尾の 長々し夜をひとりかも寝む / 柿本人麻呂
- 13. 筑波嶺の峰より落つるみなの川 恋ぞつもりて淵となりぬる/陽成院
- 14. みちのくのしのぶもぢずり誰ゆえに 乱れそめにし我ならなくに/河原左大臣
- 18.住の江の岸による波よるさへや 夢の通ひ路人めよくらむ/藤原敏行朝臣
- 19. 難波潟短き葦のふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや/伊勢
- 20. わびぬればいまはた同じ難波なる みをつくしても逢はむとぞ思ふ/元良親王
- 21. いま来むといひしばかりに長月の ありあけの月を待ち出でつるかな/素性法師
- 25. 名にしおはば逢坂山のさねかづら 人に知られでくるよしもがな/三条右大臣
- 27. みかの原わきて流るるいづみ川 いつ見きとてか恋しかるらむ/中納言兼輔
- 30. 有明けのつれなく見えし別れより 暁ばかり憂きものはなし/壬生忠岑
- 38. 忘らるる身をば思はず誓ひてし 人の命の惜しくもあるかな/右近
- 39. 浅茅生の小野の篠原忍ぶれど あまりてなどか人の恋しき/参議等
- 40. 忍ぶれど色に出でにけりわが恋は 物や思ふと人の問ふまで/平兼盛
- 41. 恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか/壬生忠見
- 42. 契りきなかたみに袖をしぼりつつ 末の松山波超さじとは/清原元輔
- 43. 逢い見てののちの心にくらぶれば 昔は物を思はざりけり / 権中納言敦忠
- 44. 逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし/中納言朝忠
- 45. あはれともいふべき人は思ほえで 身のいたづらになりぬべきかな/謙徳公
- 46. 由良の門をわたる舟人かぢをたえ ゆくへも知らぬ恋の道かな/曽禰好忠
- 48. 風をいたみ岩うつ波のおのれのみ くだけて物を思ふころかな/源重之
- 49. みかきもり衛士のたく火の夜は燃え 昼は消えつつ物をこそ思へ/大中臣能宣朝臣
- 50. 君がためをしからざりし命さえ ながくもがなと思ひけるかな/藤原義孝
- 51. かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを/藤原実方朝臣
- 52. 明けぬれば暮るるものとは知りながら なお恨めしき朝ぼらけかな/藤原道信朝臣
- 53. 嘆きつつ独りぬる夜の明くる間は いかに久しきものとかは知る/右大将道綱母
- 54. 忘れじの行く末まではかたければ 今日を限りの命ともがな/儀同三司母
- 56. あらざらむこの世のほかの思ひ出に 今一たびの逢ふこともがな/和泉式部
- 58. 有馬山いなの笹原風吹けば いでそよ人をわすれやはする/大弐三位
- 59. やすらはで寝なましものを小夜ふけて かたぶくまでの月を見しかな/赤染衛門
- 63. 今はただ思ひたえなむとばかりを 人づてならでいふよしもがな/左京大夫道雅
- 65. 恨みわびほさぬ袖だにあるものを 恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ/相模
- 72. 音にきく高師の浜のあだ波は かけじや袖のぬれもこそすれ/祐子内親王家紀伊
- 74. 憂かりける人を初瀬の山おろしよ はげしかれとは祈らぬものを/源俊頼朝臣
- 77. 瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末にあわむとぞ思ふ/崇徳院
- 80. ながからむ心も知らず黒髪の みだれて今朝はものをこそ思へ/待賢門院堀河
- 82. 思ひわびさても命はあるものを 憂きにたへぬは涙なりけり/道因法師
- 85. 夜もすがらもの思ふころは明けやらで ねやのひまさへつれなかりけり/俊恵法師
- 86.嘆けとて月やは物を思はする かこち顔なるわが涙かな/西行法師
- 88. 難波江の葦のかりねのひとよゆゑ みをつくしてや恋ひわたるべき/皇嘉門院別当
- 89. 玉の緒よ絶えねば絶えねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする/式子内親王
- 90. 見せばやな雄島のあまの袖だにも ぬれにぞぬれし色は変はらず/殷富門院大輔
- 92. わが袖は潮干にみえぬ沖の石の 人こそ知らねかわく間もなし/二条院讃岐
- 97. 来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くやもしほの身もこがれつつ/権中納言定家
- 旅
- 別れ
- 雑
- 8. わが庵は都のたつみしかぞ住む 世をうぢ山と人はいふなり/喜撰法師
- 10. これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関/蝉丸
- 12. 天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ をとめの姿しばしとどめむ/僧正遍昭
- 34. 誰をかもしる人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに/藤原興風
- 55. 滝の音は耐えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ/大納言公任
- 57. めぐりあひて見しやそれともわかぬまに 雲がくれにし夜半の月かな/紫式部
- 60. 大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立/小式部内侍
- 62. 夜をこめて鳥のそら音ははかるとも よに逢坂の関は許さじ/清少納言
- 66. もろともにあはれと思へ山ざくら 花よりほかに知る人もなし/前大僧正行尊
- 67. 春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなく立たむ名こそ惜しけれ/周防内侍
- 68. 心にもあらで憂世にながらへば 恋しかるべき夜半の月かな/三条院
- 75. ちぎりおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋もいぬめり/藤原基俊
- 76.わたの原こぎ出でて見ればひさかたの 雲居にまがふ沖つ白波/法性寺入道前関白太政大臣
- 83. 世の中よ道こそなけれ思い入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる/皇太后宮太夫俊成
- 84. ながらえばまたこのごろやしのばれん 憂しと見し世ぞいまはこいしき/藤原清輔朝臣
- 95. おほけなくうき世の民におほふかな わがたつ杣にすみぞめのそで/前大僧正慈円
- 96.花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり/入道前太政大臣
- 99. 人もをし人も恨めしあぢきなく 世を思ふゆえに物思ふ身は/後鳥羽院
- 100. 百敷やふるき軒端のしのぶにも なほあまりある昔なりけり/順徳院
- 出典
- 01古今和歌集
- 5. 奥山にもみじ踏みわけ鳴く鹿の 声きく時ぞ秋は悲しき/猿丸大夫
- 7. 天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山にいでし月かも/安倍仲麿
- 8. わが庵は都のたつみしかぞ住む 世をうぢ山と人はいふなり/喜撰法師
- 9. 花の色はうつりにけりないたづらに 我が身世にふる眺めせし間に/小野小町
- 11. わたの原八十島かけてこぎ出でぬと 人には告げよあまの釣舟/参議篁
- 12. 天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ をとめの姿しばしとどめむ/僧正遍昭
- 14. みちのくのしのぶもぢずり誰ゆえに 乱れそめにし我ならなくに/河原左大臣
- 15. 君がため春の野に出でて若菜つむ わが衣手に雪は降りつつ/光孝天皇
- 16. 立ち別れいなばの山の峰におふる まつとし聞かば今帰り来む/中納言行平
- 17.ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれないに水くくるとは/在原業平朝臣
- 18.住の江の岸による波よるさへや 夢の通ひ路人めよくらむ/藤原敏行朝臣
- 21. いま来むといひしばかりに長月の ありあけの月を待ち出でつるかな/素性法師
- 22. 吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ/文屋康秀
- 23. 月見ればちぢに物こそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど/大江千里
- 24. このたびはぬさもとりあへず手向山 もみぢの錦神のまにまに/菅家
- 28. 山里は冬ぞさびしさまさりける 人目も草もかれぬと思へば/源宗于朝臣
- 29. 心あてに折らばや折らむ初霜の おきまどはせる白菊の花/凡河内躬恒
- 30. 有明けのつれなく見えし別れより 暁ばかり憂きものはなし/壬生忠岑
- 31. 朝ぼらけ有明けの月と見るまでに 吉野の里に降れる白雪/坂上是則
- 32. 山川に風のかけたるしがらみは 流れもあへぬもみぢなりけり/春道列樹
- 33. ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ/紀友則
- 34. 誰をかもしる人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに/藤原興風
- 35. 人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香ににほひける/紀貫之
- 36. 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを 雲のいづこに月宿るらむ/清原深養父
- 02後撰和歌集
- 03拾遺和歌集
- 3. あしびきの山鳥の尾のしだり尾の 長々し夜をひとりかも寝む / 柿本人麻呂
- 26. 小倉山峰のもみじ葉心あらば いまひとたびのみゆき待たなむ/貞信公
- 38. 忘らるる身をば思はず誓ひてし 人の命の惜しくもあるかな/右近
- 40. 忍ぶれど色に出でにけりわが恋は 物や思ふと人の問ふまで/平兼盛
- 41. 恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか/壬生忠見
- 43. 逢い見てののちの心にくらぶれば 昔は物を思はざりけり / 権中納言敦忠
- 44. 逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし/中納言朝忠
- 45. あはれともいふべき人は思ほえで 身のいたづらになりぬべきかな/謙徳公
- 47. 八重むぐら茂れる宿のさびしきに 人こそ見えね秋は来にけり/恵慶法師
- 53. 嘆きつつ独りぬる夜の明くる間は いかに久しきものとかは知る/右大将道綱母
- 73. 高砂の尾の上の桜咲きにけり 外山の霞立たずもあらなむ/前中納言匡房
- 04後拾遺和歌集
- 42. 契りきなかたみに袖をしぼりつつ 末の松山波超さじとは/清原元輔
- 50. 君がためをしからざりし命さえ ながくもがなと思ひけるかな/藤原義孝
- 51. かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを/藤原実方朝臣
- 52. 明けぬれば暮るるものとは知りながら なお恨めしき朝ぼらけかな/藤原道信朝臣
- 56. あらざらむこの世のほかの思ひ出に 今一たびの逢ふこともがな/和泉式部
- 58. 有馬山いなの笹原風吹けば いでそよ人をわすれやはする/大弐三位
- 59. やすらはで寝なましものを小夜ふけて かたぶくまでの月を見しかな/赤染衛門
- 62. 夜をこめて鳥のそら音ははかるとも よに逢坂の関は許さじ/清少納言
- 63. 今はただ思ひたえなむとばかりを 人づてならでいふよしもがな/左京大夫道雅
- 65. 恨みわびほさぬ袖だにあるものを 恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ/相模
- 68. 心にもあらで憂世にながらへば 恋しかるべき夜半の月かな/三条院
- 69. 嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の錦なりけり/能因法師
- 70. さびしさに宿を立ち出でてながむれば いづこも同じ秋の夕暮れ/良暹法師
- 05金葉和歌集
- 06詩歌和歌集
- 07千載和歌集
- 55. 滝の音は耐えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ/大納言公任
- 64. 朝ぼらけ宇治の川霧絶えだえに あらはれ渡る瀬々の網代木 / 権中納言定頼
- 67. 春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなく立たむ名こそ惜しけれ/周防内侍
- 74. 憂かりける人を初瀬の山おろしよ はげしかれとは祈らぬものを/源俊頼朝臣
- 75. ちぎりおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋もいぬめり/藤原基俊
- 80. ながからむ心も知らず黒髪の みだれて今朝はものをこそ思へ/待賢門院堀河
- 81. ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただありあけの月ぞ残れる/後徳大寺左大臣
- 82. 思ひわびさても命はあるものを 憂きにたへぬは涙なりけり/道因法師
- 83. 世の中よ道こそなけれ思い入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる/皇太后宮太夫俊成
- 85. 夜もすがらもの思ふころは明けやらで ねやのひまさへつれなかりけり/俊恵法師
- 86.嘆けとて月やは物を思はする かこち顔なるわが涙かな/西行法師
- 88. 難波江の葦のかりねのひとよゆゑ みをつくしてや恋ひわたるべき/皇嘉門院別当
- 90. 見せばやな雄島のあまの袖だにも ぬれにぞぬれし色は変はらず/殷富門院大輔
- 92. わが袖は潮干にみえぬ沖の石の 人こそ知らねかわく間もなし/二条院讃岐
- 95. おほけなくうき世の民におほふかな わがたつ杣にすみぞめのそで/前大僧正慈円
- 08新古今和歌集
- 2. 春すぎて夏来にけらし白妙の 衣ほすてふ天の香具山 / 持統天皇
- 4. 田子の浦にうち出でて見れば白妙の 富士の高嶺に雪は振りつつ/山辺赤人
- 6. かささぎの渡せる橋に置く霜の 白きを見れば夜ぞふけにける/中納言家持
- 19. 難波潟短き葦のふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや/伊勢
- 27. みかの原わきて流るるいづみ川 いつ見きとてか恋しかるらむ/中納言兼輔
- 46. 由良の門をわたる舟人かぢをたえ ゆくへも知らぬ恋の道かな/曽禰好忠
- 54. 忘れじの行く末まではかたければ 今日を限りの命ともがな/儀同三司母
- 57. めぐりあひて見しやそれともわかぬまに 雲がくれにし夜半の月かな/紫式部
- 79.秋風にたなびく雲の絶え間より もれ出ずる月の影のさやけさ/左京大夫顕輔
- 84. ながらえばまたこのごろやしのばれん 憂しと見し世ぞいまはこいしき/藤原清輔朝臣
- 87. 村雨の露もまだひぬまきの葉に 霧たちのぼる秋の夕暮れ/寂蓮法師
- 89. 玉の緒よ絶えねば絶えねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする/式子内親王
- 91.きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む/後京極摂政前太政大臣
- 94. み吉野の山の秋風さ夜ふけて ふるさと寒く衣打つなり/参議雅経
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