9. 花の色はうつりにけりないたづらに 我が身世にふる眺めせし間に/小野小町(おののこまち)
はなのいろは うつりにけりな いたづらに わがみよにふる ながめせしまに
(訳)
桜の花の色ははかなく色あせてしまった。長雨が降り続く間に。私の容姿も同じように衰えてしまった。物思いにふけっている間に。
(解説)
・「眺め」と「長雨」が掛詞。
・「(長雨が)ふる」と「(世に)ふる」年月が経つの掛詞。
・「いたずらに」・・むなしく
(作者)
小野小町。吉子。美女の代名詞。54代 仁明天皇の更衣。在原業平に思いを寄せていたとも言われる。六歌仙、三十六歌仙の一人。