27. みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ / 中納言兼輔(ちゅうなごんかねすけ)
(読み)みかのはら わきてながるる いずみがわ いつみきとてか こいしかるらん
(訳)みかの原を分けて湧き流れる泉川の名のように、あなたをいつ見たということでこんなに恋しいのだろうか
(解説)
・まだ逢ったことのない人への恋心がつのる歌。
・泉川・・現在の木津川
(作者)中納言兼輔(ちゅうなごんかねすけ)。藤原兼輔。三十六歌仙の1人。賀茂川の堤に邸宅があったことから「堤(つつみ)中納言」と呼ばれた。
藤原冬嗣のひ孫。藤原為時の祖父。紫式部(「57めぐりあいて」)の曽祖父。
いとこの三条右大臣・藤原定方(25「名にしおはば」)とともに、醍醐朝の歌壇を支えた。