69. 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり / 能因法師 – 百人一首note

69. 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり / 能因法師

69. 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり / 能因法師(のういんほうし)

(読み)あらしふく みむろのやまの もみじばは たつたのかわの にしきなりけり

(訳)嵐が吹いて散らした奈良の三室山のもみじ葉が、龍田川の水面を覆いつくしてまるで錦織のように見事な風景だ。


(作者)能因法師(のういんほうし)。橘永愷(たちばなのながやす)。30才のころ恋人を亡くした悲しみで出家。全国を旅しながら歌を詠み、歌枕(歌に詠まれる地名)をまとめた『能因歌枕』を著す。

数寄者能因。数寄者(すきしゃ)とはあることを好み、それに打ち込む人を指すが、和歌に異様に執念を燃やす人もこう呼ぶ。能因はその典型であった。