10. これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関 / 蝉丸

10. これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関 / 蝉丸

これやこのゆくもかえるもわかれては しるもしらぬもおうさかのせき(せみまる)

(訳)これがあの、東へ行く人も都へ帰る人も、ここで別れ、知っている人も知らない人も出会う逢坂の関なのですね。

(解説)
・「逢坂の関」は山城国(やましろのくに・京都)と近江国(おうみのくに・滋賀)の関所。

・歌枕(歌に出てくる地名)や、「逢ふ」との掛詞にもよく使われる。

・「逢うは別れの始め」という「会者定離(えしゃじょうり)」を詠んだとの解釈も。会っては別れ、別れては会うのが人生のならいだという仏教的な感慨も。


(作者)
蝉丸:琵琶、蝉歌(声を絞って歌う)の名手。

・「今昔物語」では59代宇多天皇の皇子、敦実(あつざね)親王に仕えたと言われている。

・62「夜を込めて」にも「逢坂の関」が出てくる。


・「逢坂の関」は「鈴鹿の関」「不和の関」と並ぶ三関の一つ。逢坂の関を越えれば東国とされた。

undefined

(引用:Wikipedia)