96. 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり / 入道前太政大臣 – 百人一首note

96. 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり / 入道前太政大臣

96. 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり / 入道前太政大臣(にゅうどうさきのだいじょうだいじん)

(読み)はなさそう あらしのにわの ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり

(訳)桜が咲き散るように誘う山嵐が吹いている庭にいて、ふりゆくものといえば雪なのではなく、老いていく私の身なのだ。

(解説)
・落花に自らの老いを重ねて嘆く

・雪ならで・・雪ではなくて

・「ふりゆく」は「降りゆく」と「古りゆく」との掛詞


(作者)入道前太政大臣(にゅうどうさきのだいじょうだいじん)。藤原公経(ふじわらのきんつね)、西園寺公経(さいおんじきんつね)。藤原定家の妻の弟。

西園寺公経の妻は源頼朝の姪だったため、承久の乱(1221)では鎌倉幕府に味方した。乱の後、関東申次(かんとうもうしつぎ)の役職に付いた。以後世襲となる。

また公経は、孫の藤原頼経(三寅)を鎌倉4代将軍(摂家将軍)にしたことで、朝廷でも重んじられた。孫娘を後嵯峨天皇の中宮に。