64. 朝ぼらけ 宇治の川霧 絶えだえに あらはれ渡る 瀬々の網代木 / 権中納言定頼(ごんちゅうなごんさだより)
(読み)あさぼらけ うじのかわぎり たえだえに あらわれわたる せぜのあじろぎ
(訳)夜がほのぼのと明けてきて宇治川にかかった霧が途切れてくると、現れてきたのは川の浅瀬にある網代木だった。
(解説)
・朝ぼらけ・・夜明け方
・あじろぎ・・魚をとるしかけ。冬の風物詩。
・平安時代には数少ない叙景歌。
(作者)
権中納言定頼(ごんちゅうなごんさだより)。藤原定頼。和歌や書道、管弦に優れる。父は大納言公任(55「滝の音は」)。
小式部内侍をからかったが、60「大江山」で返された。