44. 逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし/中納言朝忠 – 楽しく百人一首

44. 逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし/中納言朝忠

44. 逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし/中納言朝忠(ちゅうなごんあさただ)

(読み)おうことの たえてしなくは なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし

(訳)あの人とあって結ばれることが一度もなければ、かえってあの人の冷たさもわが身の辛さもこんなにうらむことはなかったのに。

(解説)
・960年・天徳内裏歌合(てんとくだいりうたあわせ)での歌。


(作者)
中納言朝忠(ちゅうなごんあさただ)。藤原朝忠。三条右大臣・藤原定方25「名にしおはば」が父。三十六歌仙の一人。

笙(しょう)や笛の名手。右近をはじめ多くの女性と恋のうわさになった。