25. 名にしおはば逢坂山のさねかづら 人に知られでくるよしもがな/三条右大臣(さんじょううだいじん)
なにしおわば おうさかやまの さねかずら ひとにしられで くるよしもがな
(訳)その名前を負うなら逢坂山のさねかずらよ。たぐりよせて人に知られずに会えたらいいのに。
(解説)
・「もがな」・・~ならいいのに(願望)
・逢坂山は山城国(京都)と近江国(滋賀)の境界にある山。
(作者)
三条右大臣(さんじょううだいじん)。藤原定方(ふじわらのさだかた)。京都・三条に屋敷があった。和歌や管弦にすぐれ女性に人気があった。
いとこの藤原兼輔(27「みかの原」)とともに、醍醐朝の歌壇のパトロン的存在であり、紀貫之(35「人はいさ」)らを支援した。
さねかずら