19. 難波潟短き葦のふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや/伊勢 – 楽しく百人一首

19. 難波潟短き葦のふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや/伊勢

19. 難波潟短き葦のふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや/伊勢(いせ)

なにわがた みじかきあしの ふしのまも あわでこのよを すぐしてよとや

(訳)あなたに会わずに1人で過ごせというの。そんなの無理。葦のふしのような短い間でもあなたに会いたい。


(作者)
伊勢(いせ)。三十六歌仙の1人。父が伊勢守(三重県)。59代宇多天皇の中宮、温子に仕えた。

藤原仲平に送った返歌とされる。仲平は、時の関白・藤原基経の次男、穏子(60代・醍醐天皇の中宮)の兄。

※藤原基経の子は、長男・時平(菅原道真を左遷)、次男・仲平(伊勢に18「難波潟」の歌をもらう)、三男・忠平(性格温厚)。

伊勢は恋多き女性で、仲平の兄の藤原時平や、59代宇多天皇にも愛され、宇多天皇との間には皇子ももうけた。

後に宇多天皇の第四皇子・敦慶(あつよし)親王と結婚。娘の中務(なかつかさ)も歌人。