39. 浅茅生の小野の篠原忍ぶれど あまりてなどか人の恋しき/参議等
あさじうのおののしのはらしのぶれど あまりてなどかひとのこいしき(さんぎひとし)
(訳)低い茅(ちがや)(ススキ)が生える、小野の篠原のようにしのんできたけれど、もう抑えきれません。どうしてこんなにあなたが恋しいのでしょう。
(解説)
・「古今集」の「浅茅生の小野の篠原忍ぶとも 人しるらめやいう人なしに(詠み人知らず)」を本歌にしている。
・あまりて・・抑えきれないで
(作者)
参議等(さんぎひとし)。源等(みなもとのひとし)。52代嵯峨天皇のひ孫。
『後撰和歌集』に採録された「東路の佐野の舟橋かけてのみ 思ひわたるを知る人ぞなき」は、本阿弥光悦作『舟橋蒔絵硯箱』の蓋の意匠に取り入れられた。