76.わたの原こぎ出でて見ればひさかたの 雲居にまがふ沖つ白波/法性寺入道前関白太政大臣 – 楽しく百人一首

76.わたの原こぎ出でて見ればひさかたの 雲居にまがふ沖つ白波/法性寺入道前関白太政大臣

76.わたの原こぎ出でて見ればひさかたの 雲居にまがふ沖つ白波/法性寺入道前関白太政大臣(ほっしょうじにゅうどう さきのかんぱく だいじょうだいじん)

わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの くもいにまがう おきつしらなみ

(訳)大海原に舟を漕ぎだして辺りを見わたすと、雲と見間違うような沖の白波が立っていることです。

(解説)
・崇徳天皇の歌合わせ。「海上遠望(海の上で遠くを眺める)」というお題。漢詩のようなお題なので、漢詩が得意な忠道にはよかったのだろう。

・「ひさかたの」⇒「雲」にかかる枕詞。「天」をはじめ「光」「空」「月」「雲」「雨」などの言葉にかかる。


(作者)法性寺入道前関白太政大臣(ほっしょうじにゅうどう さきのかんぱく だいじょうだいじん)

藤原忠道(ふじわらのただみち)。子は95慈円、孫は91良経。鳥羽天皇から4代に渡り関白を務めた。

1156年・保元の乱で後白河上皇側について、勝利。弟・藤原頼長と戦った。

93「契りおきし」藤原基俊から、根回しを頼まれた方の人。