10. これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関/蝉丸 – 楽しく百人一首

10. これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関/蝉丸

10. これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関/蝉丸(せみまる)

これやこの ゆくもかえるも わかれては しるもしらぬも おうさかのせき

(訳)これがあの、東へ行く人も都へ帰る人も、ここで別れ、知っている人も知らない人も出会う逢坂の関なのですね。

(解説)
・「逢坂の関」は山城国(やましろのくに・京都)と近江国(おうみのくに・滋賀)の関所。

・「逢坂の関」は「鈴鹿の関」「不和の関」と並ぶ三関の一つ。歌枕(歌に出てくる地名)によく使われる。


(作者)
蝉丸:琵琶、蝉歌(声を絞って歌う)の名手。

「今昔物語」では59代宇多天皇の皇子、敦実(あつざね)親王に仕えたと言われている。