89. 玉の緒よ絶えねば絶えねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする/式子内親王 – 楽しく百人一首

89. 玉の緒よ絶えねば絶えねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする/式子内親王

89. 玉の緒よ絶えねば絶えねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする/式子内親王(しょくしないしんのう)

たまのおよ たえねばたえ ながらえば しのぶることの よわりもぞする

(訳)命よ。絶えてしまうなら絶えておくれ。このまま生きたならば恋心をこらえる気持ちが弱ってしまい人目につくと困るから。

(解説)
・人目を忍ぶ恋


(作者)式子内親王(しょくしないしんのう)。後白河天皇の第3皇女、賀茂の斎院。

藤原俊成(83「よのなかよ」)や、息子の定家(97「来ぬ人を」)から、歌の指導を受けた。10歳年下の定家への思いを詠んだ歌とされる。