91. きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む / 後京極摂政前太政大臣 – 百人一首note

91. きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む / 後京極摂政前太政大臣

91. きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む / 後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん)

(読み)きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねん

(訳)こおろぎが鳴いている霜の降りた夜、寒々としたむしろに着物の片袖を敷いて、独り寝するのだろうか。

(解説)
・霜の降りた夜の独り寝のわびしさ

・妻に先立たれた辛い思いをこの歌に詠んだ。

・(3)「あしびきの」の本歌取。


(作者)後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん)。藤原(九条)良経。

『新古今集』の撰者の一人で仮名序を執筆。家集『秋篠月清集(あきしのげっせいしゅう)』。38才で亡くなる。

父は藤原(九条)兼実(かねざね)、祖父は藤原忠道(76「わたのはら 漕ぎいでて」)、叔父は慈円(95)。

 

(七十二候・閉塞成冬(そらさむくふゆとなる))
片山に入り日のかげはさしながら しぐるともなき冬の夕暮れ(藤原良経)