91.きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む/後京極摂政前太政大臣 – 楽しく百人一首

91.きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む/後京極摂政前太政大臣

91.きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む/後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん)

きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねん

(訳)こおろぎが鳴いている霜の降りた夜、寒々としたむしろに着物の片袖を敷いて、独り寝するのだろうか。

(解説)
・霜の降りた夜の独り寝のわびしさ

・妻に先立たれた辛い思いをこの歌に詠んだ。


(作者)後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん)。藤原良経。『新古今集』の撰者となる。

父は藤原兼実。祖父は藤原忠道(76「わたのはら 漕ぎいでて」)。

 

片山に入り日のかげはさしながら しぐるともなき冬の夕暮れ(閉塞成冬/七十二候)