90. 見せばやな雄島のあまの袖だにも ぬれにぞぬれし色は変はらず/殷富門院大輔 – 楽しく百人一首

90. 見せばやな雄島のあまの袖だにも ぬれにぞぬれし色は変はらず/殷富門院大輔

90. 見せばやな雄島のあまの袖だにも ぬれにぞぬれし色は変はらず/殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ)

みせばやな おじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかわらず

(訳)お見せしたいものです。雄島の漁師の袖でさえも、波に濡れに濡れてそれでも色は変わらなかったというのに。

(解説)
・雄島は日本三景の一つ宮城・松島にある島。歌枕。

・源重之(48「風をいたみ」)作の「松島や雄島の磯にあさりせしあまの袖こそかくは濡れしか」からの本歌取り。


(作者)殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ)。藤原信成の娘。殷富門院(式子内親王の姉)に仕えた。多作であったことから「千首大輔」の異名がある。西行や寂蓮とも歌のやりとりをした。