47. 八重むぐら茂れる宿のさびしきに 人こそ見えね秋は来にけり/恵慶法師 – 楽しく百人一首

47. 八重むぐら茂れる宿のさびしきに 人こそ見えね秋は来にけり/恵慶法師

47. 八重むぐら茂れる宿のさびしきに 人こそ見えね秋は来にけり/恵慶法師(えぎょうほうし)

やえむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり

(意味)むぐら(つる草)が生い茂ったさびしい家に人は来ないけれど、秋だけはやってきたなあ。

(解説)
河原左大臣(源融・みなもとのとおる)(14「みちのくの」)の豪華な邸宅「河原院・かわらのいん」(京都六条)に、ひ孫の安保(あんぽう)法師が住んでいた。

ここに友人の恵慶法師が尋ねたときに詠んだ歌。百年が過ぎて、有名だった広い庭園も寂れてしまった。

 


(作者)
恵慶法師(えぎょうほうし)。65代花山天皇(984)の頃の播磨国(兵庫)の国分寺の僧。自然を読むのが得意だった。

平兼盛(40「しのぶれど」)や、源重之(48「風をいたみ」)と親しかった。