38. 忘らるる身をば思はず誓ひてし 人の命の惜しくもあるかな/右近 – 楽しく百人一首

38. 忘らるる身をば思はず誓ひてし 人の命の惜しくもあるかな/右近

38. 忘らるる身をば思はず誓ひてし 人の命の惜しくもあるかな/右近(うこん)

わすらるる みをばおもわず ちかいてし ひとのいのちの おしくもあるかな

(訳)忘れられた私のことはいいのです。愛の誓いを破ったあなたの身が心配です。

(解説)
・藤原敦忠(ふじわらのあつただ)(43. 逢い見ての)に贈った歌。←敦忠は左大臣・藤原時平(菅原道真を大宰府へ左遷した)の息子。敦忠は実際に若くして38才で亡くなった。


(作者)
右近(うこん)。右近衛少将・藤原孝縄(うこんのえしょうじょう・ふじわらのすえなわ)の娘。恋多き女流歌人。

60代醍醐天皇の皇后・穏子(おんし)に仕えた。「大和物語」にも恋愛模様が描かれている。